いつか向かい合うべき、「本当にこの人でいいの?」
どんなに仲の良いカップルでも、長く一緒にいれば “本当にこの人でいいの?”という心の声がきこえてくることがあります。最初はささいなことと、思い流していてもいずれ不満が積もってきて、“この人ってぜんぜん何にもしてくれない”、“相性が合わない”と相手を攻めるようになり、こんな人を恋人(あるいは妻/夫)に選ぶんじゃなかったと深く幻滅することに。。。
わたしたちは本当に“間違った人をパートナーに選んでしまう”のでしょうか? 心理学の分野では実に興味深い考えがだされています。
人間は不満があると他者を責める傾向が強いのですが、それは恋愛に関してもおなじ。相手選びを間違えたと思うのは、相手に非があるのではなく、むしろ自分の恋愛に対するニーズをちゃんと把握できなかったこと自体に原因がある、というのです。
まとめてみると、以下のようなことになります。
恋人(あるいは妻/夫)への不満が募ってゆくと、、わたしたちが陥りやすい思考のワナ
思考のワナ:)ひとは相手を責めて、関係がうまくいかないのは相手のせいだと考えがち
実際:)自分の恋愛に対するニーズをちゃんと把握していなかった(自分の責任)
完璧な人なんてこの世に存在しません。でもわたしたちが頭のなかで勝手に“理想の相手”を描き、相手がそれにマッチしないと、“相手が悪いんだ”と決めつける。それでは、どんな人だって最終的に“間違った相手”になってしまうはずです。
もちろん、相手に暴力を振るう、あるいはアルコールやドラッグ、ギャンブルなどの依存症になっているというのは論外です。でも、ほとんど多くのカップルの場合、こうした認識不足からやがて修復不可能な関係になっていく、というのがアメリカのカップルカウンセラーたちの間ではよくいわれています。
こうした思考のワナにはまって、相手との関係が悪化する前に考え方をちょっと変えてみましょう。
・相手への不満に意識を集中させず、むしろ自分の心のなかを探ってみる。“わたしはどうしてこの人といて楽しくないんだろう、この状態を変えるために私は何をするべきなのかしら”
・相手に自分の幸せの拠り所を求めない。相手がいようと、いまいと幸せを感じられる自分でいる。そうすれば、幸せ感を覚えないからといって相手を責めるようなことはしない。
・完璧な理想像を相手に押し付けない。自分も相手も欠点のある者同士であることを認め、受け入れる。
・自分は相手のために何をしてきたか/してこなかったか、考えてみる。さらに、“どうして相手のことをお互い幸せにできていないのだろう”ということを自問してみる。
最後に
こうした悩みで一時は離婚まで考えたというあるカナダ人男性の言葉を紹介しましょう、とても示唆のある一言です。
『結婚とは正しい相手を選ぶことではなく、(自分が)相手にとってふさわしい人間になるかどうか、にかかっていると思います。多くの人が”間違った相手と結婚してしまった“というふうに考えます。でも、わたしは結婚とは、相手にとってよき配偶者に成長できるかどうかであると学びました』